西武 101系 赤電塗装車 西武秩父線横瀬駅 横瀬車両基地
2001年秋、西武鉄道は毎年開催している鉄道の日記念イベントの目玉として、このイベントのためだけに101系初期モデルを往年の西武カラーである「赤電塗装」に塗り替えて走らせるファンサービスを実施しました。
しかし細かいことを言えば、101系は1度も赤電塗装で営業に就いていたことはありません。
ですので厳密な意味で”復活”ではありませんが、この手のファンサービスにはカタブツの西武鉄道としては目いっぱいの企画です。
黄色1色になる前の、この赤色の塗装で営業されていたのは701系・801系までですが、外観は張り上げ屋根の801系とさほど変わりませんからそれをイメージしてのことです。
この企画はなかなか盛況で西武新宿発と池袋発の臨時イベント列車も運転されたほどで、私もめずらしく沿線でカメラを構えて、この電車の姿を撮影したものです。
そういえば、西武新宿線のとある踏切でこの電車の通過を待っていると、ちょうど遮断機が下りて停まった自転車のおばさんが、私を怪訝な目で見ながらも、赤い101系が通過するや否や、「あら、珍しいわね。」と私に語りかける様な独り言のような言葉を発し、再び踏切が開くと去って行きました。
おそらく近所の方でしょうが当時、西武鉄道最後の赤電塗装車であった351系が多摩湖線から引退して10年以上経っていましたから、このおばさんは、全く興味がないにしろ、偶然かつ久しぶりに赤い電車が本線を行く光景を見たことになります。そしてそれはおそらく最後の姿。
あれから再び10年。赤電どころか初期型101系自体が風前のともしびです。