高校生時代、所属していた鉄道研究会の仲間の部員から1枚の写真を見せられました。
それは車体のあちこちに錆が浮き、朽ちるがままに留置されている見るも哀れな1両の気動車の姿でした。
ちょうど春のようで、構内の片隅には満開の桜が写り西に傾きかけた春の柔らかな夕日に照らしだされた車体の錆が侘びしさを感じさせるこの写真がなぜかとても心に残り、その部員に頼んで、わざわざ2Lサイズでプリントしてもらったのがこの写真です。
さて、写真の主人公ですが、少々解像度の低いこの写真の車体番号の部分を拡大してみると「キハ25-20」とも読めるのですが、車両形式にはあまり詳しくない私が見ても、その塗装の塗り分けからして、キハ20系のキハ25ではなく、旧準急型気動車「キハ55」系の「キハ26」ではないかと思われます。
ハイフン以降の番号も20または201とも読み取れますのでここでは仮に「キハ26-201」としておきます。
この写真が撮られた詳しいデータは撮影者から聞いておりませんが、わかっていることは昭和60年ころの肥薩線・吉松駅構内だということだけです。
撮影時でさえこの状態なので、この後いつごろまでここに留置されていたのかは知るべくもありませんが、もし当館ご来館の方の中でこの車両に関する消息をご存知の方がおられましたら、ぜひ当館までご連絡くださいませ。