2017年も早くも２か月が過ぎもう３月。まだまだ寒い日がありますが、それでも日の光や霞んだ空に春の訪れを感じるこの頃です。

さて、もはや東京近郊では販促チラシどころか駅貼りの大きなポスターさえ見かけることが稀有になった青春１８きっぷチラシ＆ポスターですが、この春も「有る所には有る」という状況で、わたくしも例のごとく、旅仲間の協力により何とか入手いたしました。
と言う訳で、今回のポスターの舞台はJR北海道管内室蘭本線の「母恋駅」です。
２０１６年の夏から始まった「旅情あふれる名の駅」シリーズの３回目にということで母恋駅が選ばれたわけですが、確かに素敵な字と響きの駅名ではありますが「母に恋」とは、さすがに”いいおじさん”には何ともこっぱずかしいような響きを感じるのも事実です。
とはいえその響きから「母」を思い出すのもまた事実。母親が健在ならば連絡しようかな、と思うだろうし、すでに他界していればちょうど春のお彼岸の時期故、故郷の墓前に花を手向けてみようかな、などと思うかもしれません。
そんな「旅情あふれる名」の母恋駅ですが、ネタばらしをすれば、北海道の地名は大体アイヌ語が語源であることが多いですから、ちょっとウィキペディアなどで調べてみますと、やっぱりアイヌ語の「ポクセイ・オ・イ」（ホッキ貝のたくさんあるところの意）に由来するといわれていて字は当て字とのことでした。それにしても「母恋」とは良い字をあてたものです。
JR北海道と言えば、昨春の北海道新幹線開業で明るい話題があった一方で秋には路線廃止を含む抜本的な経営改革の提言が発表されており、該当する沿線地元の方や旅好きやレールファンにはその動向が注目されるところです。
かつて国鉄末期のころ、赤字ローカル線の廃止反対運動の一環でよく「乗って残そう○○線」などというスローガンや横断幕を目にすることがありましたが、結局ほとんどの線区は「抵抗」むなしくバス転換されてゆきました。乗る人がいなければ無くなっていくのは仕方のないこと。無くなると聞いたから乗りに行く、のではなく、そんな話が出る以前から、無名ではあるけれど美しい車窓の路線を求めて列車が走る限り旅を続けていきたいなと思うこの頃です。

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