青春18切符考（その94）

2018年7月、青春18きっぷ発売と前後して、駅貼り用の大きなポスターが職場最寄りの駅の掲示板にひっそりと掲示されました。今夏のポスターの舞台はJR東海管内、中央線の定光寺駅です。

そんな訳で、ポスターの絵と場所は、早い段階で分かっておりましたが、販促チラシにつきましては私の住むJR東日本管内、とくに首都圏近郊では皆無ですので、なかなか入手できず、正直なところ今回はもう収集はむづかしいかなと思っておりましたが、8月に入り、いつものように旅仲間のS氏が、水害の傷跡残る西日本管内を縫うように旅し、手に入れたそうで、そのおかげで、左のように、ようやくコレクションに加えることができた次第です。

さて、青春18きっぷポスターは、だいたい、夏の回からパターンが変わる傾向にありますが、今シリーズのテーマは、どうやらサブタイトルに見る「列車の灯りに誘われて」のようです。
これまで幾度か、「ポスターの絵が季節に合っていない。」などと勝手な批評を繰り返してきた私ではありますが、この「列車の灯り」をテーマとするならば、どんな季節、時間でもぴったりなのではないかと思いました。例えば、今回のような、日の長い夏の漸く薄暗くなってきたところの何となく虚ろ気に漏れる列車の灯りを見ると、なんとなく蜩のカナカナカナと鳴く声が聞こえてきそうです。
この後、冬、春と続く季節にどんな列車の灯りが表現されるのかは、後のお楽しみですが、個人的には、冬ならば、「雪煙を豪快に撒きあげて走り抜ける夜行列車の窓灯り」などを期待したいところですが果たして結果や如何に。
今から次回が楽しみです。

それにしても今回の旅の舞台の定光寺駅、大都会の名古屋から普通列車で僅か30分ほどのところにある駅ですが、それはサブコピーの、「もうすぐ都会に着くとは思えない、山峡の夕暮れを味わっています。」がそのものずばりの駅です。
川べりの家々は民家でしょうか。川のせせらぎ聞こえてきそうな実に味わい深いポスターです。