青春18切符考（その99）

2020年3月。今シーズンも無事、春の青春18きっぷが発売されました。
しかし、国内は「のんびりと青春18きっぷの旅行」とは言っていられない雰囲気が漂っています。
それは2019年暮れあたりから報道されていた”中国武漢市での「謎の肺炎」の流行”が、やがて新型のコロナウイルスが原因とわかり、中国の旧正月である春節を契機に、一気に全世界に飛び火、猛威を振るっています。
2月末頃からは感染防止のため、不要不急の外出は自粛3月からは学校も休みとなり今に至っております。
罹患し亡くなられた方には心よりお悔やみ申し上げますとともに、一日も早い沈静化のために私自身も「うつらない・うつさない」ようこまめな手洗い・うがいに努めてまいります。

と言う訳で、今春は青春18きっぷの販促ビラ収集も、さすがに困難かなと思っておりましたが、いつものように旅仲間のS氏のご協力により、無事入手することができました。

今回のポスターの舞台は、JR四国管内　土讃線　安和駅です。
安和駅といっても、関東近辺に住んでいる方には、なかなかぴんと来ないかもしれません。もちろん私もその一人ですが、ちょっとネットの情報など見てみますと、高知駅から更に窪川方面に行った、須崎市にある土佐湾に面した小さな無人駅です。50年前の昭和45年に無人化され、最近は1日の乗降客数も30名程度とのことですが、私も旅の途中、何度かこの区間を通り、車窓から見る土佐湾の風景は実に美しく、思い出に残っております。
今回のポスターの写真はそんな早朝の土佐湾を背景に、安和駅を発車した窪川方面に向かう列車を撮影したようですが、注意書きには普段は見られない一文が加えられています。
それは、「※特別な許可を得て撮影しています。」
という一文です。
「特別な許可」の具体的な内容はわかりませんが、想像するに、撮影場所は「私有地」であるという事なのでしょう。
青春18きっぷのポスターはその美しさから、同じアングルで写真を撮る、或いは場所を訪ねる”聖地巡礼”といった楽しみ方もありますが、そこが私有地であるならば、この点は十分に注意しなければなりません。
時折、「ルール無用の鉄道マニア」の引き起こす行動が社会問題に発展することがありますが、鉄道ファンの端くれとして恥ずべきことです。くれぐれもルールを守って鉄道趣味を楽しみたいものです。

春まだ浅い土佐の海辺を行く列車の窓から漏れる灯り。今回もまた旅情あふれる素敵なポスターです。