2010年夏の旅　トルコ旅行（その1）

飛行機の横でバスをおろされて、タラップを登って乗り込むと、なんと成田から来た飛行機と全く同じ。関空とここタシケントで2度降ろされましたが飛行機自体は給油と整備を繰り返しながら、成田からはるばるやってきたわけです。
ウズベキスタンからは多少乗客の顔ぶれも入れ替わって、だいぶ現地の方が多くなりました。聞いたこともない言葉が飛び交っています。

結局ウズベキスタンをとびっ立ったのは予定より1時間ほど遅れて夜の9時過ぎ。満月の月明かりのきれいな晩でした。
タシケントから目的地であるトルコ・イスタンブールまでは所要時間4時間45分ほどです。

飲み物サービスではビールを頼みました。たぶんウズベキスタンの銘柄ですが、冷えていなくちょっと残念。

日本時間ではすでに日も変わり真夜中ですが、出された機内食は写真の通り盛りだくさん。
ウズベキスタン積み込みの機内食はチーズの味にしても肉の味付けにしてもやっぱり海外仕様。海外旅行を実感します。

現地時間の午後6時頃、無事ウズベキスタンのタシケント空港に到着しました。
さすがに疲れました。
窓から見えるタシケントは滑走路には草が生え、なんとなくぼろぼろ。飛行機もターミナルビルに横付けされるわけではなく空き地に止まって移動階段でおります。そしてそこに横付けされたバスでターミナルに向かいます。
バスは２台止まっていて、１台はイスタンブール便とかモスクワ便乗り継ぎ客用、もう一台はウズベキスタン入国の人用のようでした。
ちなみにタシケント空港は写真撮影厳禁です。カメラを構えていると間違いなく怒られます。
それでもどさくさにまぎれてタラップで記念撮影している人は何人かいましたけど。

満員のバスに乗せられて、空港ターミナルに向かう訳ですが、駐機されている飛行機群がまた興味深いです。乗ってきた飛行機はボーイングの767型機でしたが、駐機場に止まっていた国内線用と思われるプロペラ機はたぶん「アントノフ24型機」つい最近まで、北海道とサハリン島を結ぶ定期航路で就航していて日本でも見ることができましたが、いまはジェット機に交代しています。
私は近くで見たのは初めてですが、なかなかかっこいい飛行機です。写真隠し撮りできればよかったのですが残念です。

で、連れて行かれたのは、とても国際空港のターミナルビルとは思えない超クラシカルな建物。
トランジットビザがありませんのでターミナル内からは一歩も外に出れませんが、窓から見える大通りの感じは写真の通りです。
ヨーロッパ系のメーカの車がほとんどで日本車は見えませんでした。
でも古めかしいロシア製自動車（たぶんラーダ）が結構走っていました。
私はああいう古めかしい車好きなんですねぇ。

さて、いよいよ搭乗開始。再び窓側の座席に腰をおろしました。
関西空港を離陸すると瀬戸内海上空を西に進みました。
眼下には明石大橋や瀬戸大橋が見えました。岡山県の玉野市上空で進路を北西に変え山口県上空、朝鮮半島、大連付近を通り北京近くまで一直線に進みました。
今回は、窓の景色を楽しむためにコンパクトな世界地図を持参し、見比べながら進みます。

国内ではありますがトランジットとのことで、着陸後、一旦飛行機から降ろされます。
結局また同じ飛行機に乗ることになるので手荷物は座席に置いておいてもよいのですが、機内放送で「荷物は置いておいても構いませんが、保証は致しかねます。」てなことを言っており、裏を返せば「（荷物が）なくなることもある。」と言っているのと同じことなので、結局手荷物は持って飛行機を降りました。

飛行機を降りて国際線のターミナル内には「先端駅」なる新交通システムの駅がありました。
鉄道ファン的には大変興味のある乗り物ですが、国際線のターミナル内にあるので、日本全土鉄道乗りつぶしをお考えの方には非常に難易度の高い路線かもしれません。
もっとも、「日本全国乗りつぶし」自体に明確なルールがあるわけではありませんから、こうした特殊な路線は例外なのだと自分で決めてしまえば全く問題ありません。

添乗員さんから搭乗券をもらってカウンターでチェックイン。スーツケースはあづけて身軽になりました。
まずはテレビの画面で自分の乗る飛行機と搭乗口をチェック。42番乗り場と端っこです。

その前にターミナル内のＮＴＴ　Ｄｏｃｏｍｏのカウンターで持っている携帯を海外に持って行っても大丈夫なようにいろいろ自動通信になっているものはＯＦＦにしてもらいました。これを怠ると帰国してから法外な請求書の金額に超ビックリ！なんてことになりますから忘れずに。
もちろんメール魔の友人には予め旅行期間中はメールしないようにクギを刺しておいたのは言うまでもありません。

世界三大文明の一つ「メソポタミア文明」の流れをくみ8000年以上の歴史を持つ国「トルコ」。
トルコ1の大都市イスタンブールはボスポラス海峡をはさんでヨーロッパとアジアの文化が交差する古代からの要所です。
昔、庄野真代さんが歌った「飛んでイスタンブール」で一躍有名になったものの、実際にその地を訪ねてみると、歌の歌詞にあるような「砂漠とラクダ」や「夜だけのパラダイス」などというイメージはどこにも見当たりません。
西洋的なものと東洋的なものが織り交ざった魅惑の国トルコ。イスタンブールから首都アンカラまでの夜行急行寝台列車にも乗車して駆け足でトルコを巡ってまいりました。
以下その記録を書き綴ります。

タシケントでの乗り継ぎ時間は2時間ほど。
その間ぼろいターミナルビルのロビーでじっと待ちます。
最後の乗り継ぎであるイスタンブール行きの離陸予定時間は8時過ぎです。でももとソビエト連邦の一員であったこの国の飛行機が日本のように定刻通りにきっちりと運行されるとはとても思えません。
添乗員さんからイスタンブール行きの飛行機の搭乗券を渡されると、いよいよ出国です。
搭乗ゲートは上の写真の右下に見える通路の向こうです。なんとなく手荷物検査とＸ線検査をおえて狭い部屋でしばらく待っていると出口の扉が開かれました。
係の男性が「搭乗券は自分でちぎって手渡してください！」
全然機械化されていない空港ターミナルの改札はなんともルーズ。まぁ外国人の団体客ですからこれでもいいのでしょう。再び空港バスに詰め込まれて飛行機に向かいました。

■旅行第1日目
かくして無事旅行催行の知らせが届き、最終的な行程表が送られてきたのは出発1週間前のことでした。

当日、おＮｅｗなスーツケースにショルダーバックといういでたちの私が向かった先は、成田空港第一ターミナルです。
ちなみに、今回のツアーはいわゆる格安ツアーなので、トルコ航空の直行便でひとっ飛び！などという贅沢な旅ではなく、「ウズベキスタン航空」などという聞いたこともないような航空会社の飛行機で参ります。ですので当然乗り継ぎ便。しかも本来は、関西空港とウズベキスタンのタシケント空港間が定期便で、これから乗る成田空港、関西空港間は臨時便扱いなのだそう。ですのでなんだか知りませんが、関西空港とタシケント空港の2か所でトランジットするということです。
なお、私は飛行機の乗り継ぎの経験はありませんので”めんどくさいなぁ”と思いながらも一方ではワクワクしている自分がいるのでした。

ウズベキスタンを9時過ぎに発った飛行機は4時間45分後の、翌午前2時頃にはトルコ到着ですが、トルコとウズベキスタンでは、夏時間で2時間の時差があります。
ですから時間を2時間戻してちょうど0時、無事イスタンブールに到着しました。

日本時間の午前10時に成田を出てトルコ時間の夜中の12時にようやく目的地に到着。実質的には18時間の長旅が終わりました。

トルコの入国手続きはいたって簡単です。そもそも面倒な入国カードの記入は必要ありません。入国窓口のお兄さんに「バン！」とパスポートにハンコをもらえばおしまいです。

ツアー一行が無事入国できたことを確かめて、まずはホテルに向かいます。

その前に、添乗員さんからトルコの通貨「トルコリラ」に両替窓口で１万円程度両替しておいてくださいとの指示がありましたので、私も早速両替しました。
1ＴＬ＝67円くらいでした。
添乗員さんいわく、今は円高で皆さんはラッキーです。とのこと。
ちょっと10,000円では少ないかなという気もしますが、食事は全部付いているしＵＳドルも使えるとのことなので、ここは指示通りに様子見です。

ようやくトルコに辿り着いて、１日が６時間も延びたので、さすがに疲れました。
それから用意されたイスタンブール旧市街にあるホテルに入ったのは間もなくのことでした。

はっきり言って外国語は全く話せない私は、飛行機のチケットとホテルだけを予約してリュックサックを背負ってぶらぶら～などという、若者のような旅はできません。
なので、いろいろな旅行商品を探して見つけたのが今回のツアー。
添乗員さんが最初から最後までお世話してくださるし、食事もぜーんぶ付いていますし、短い旅程ながら、とりあえずトルコ旅行の観光ポイントをちょこちょこっと巡り、それなりに満足度が十分そうなので、あまり海外旅行に慣れていなくコミュニケーション不足で右も左もわからない私のようなものにはまさにうってつけ。早々に参加申し込みをし手付金を振り込んだ私は催行決定の通知が来るその日を首を長くして待ちました。

関西空港での乗り継ぎ時間は1時間少々。再度の手荷物検査を受けるといよいよ出発です。

ちなみに関空の離陸時間は午後1時。
中途半端な時間のせいかターミナル内の待合所は一部を除き閑散としていました。
一部とは、いま世界中どこでも見かける賑やかな民族。そう「中国人」の一行です。
窓の向こうには長栄航空なる聞いたこともない飛行機会社の飛行機が横付けされていました。

一通りの手続きを済ませてようやく搭乗。飛行機は一歩機内に足を踏み入れた途端にその国の匂いがかすかにしますが、このウズベキスタン航空の飛行機に乗った時もこれまでに嗅いだ事のないような独特のにおいはしました。この時点で、気分的には海外への一歩を踏み出したのを実感します。

若干の遅れをもって成田を離陸した飛行機は関西空港を目指します。
窓側の席に座りましたがあいにくと雲が多くあまり景色は望めませんでしたが、国内線同様一時間ほどで関空に到着です。